高校生の1日看護師体験
山梨赤十字病院は、6月22日、24日に近隣の高校生による1日看護師体験を実施しました。年々希望者が増加しており、今年は二日間で計54名の高校生が、1日看護師体験を行いました。
1日看護師体験のプログラムを紹介します
【8:15】
高校生たちは、ドキドキしながら病院正面玄関に集合しました。
そして制服から白衣を更衣。
初めての白衣を着て、髪をまとめて少しずつ「かわいい看護師さん」ができあがっていきました。
【9:00】
辞令交付
宮岡院長より、ひとりひとりに「1日看護師」の辞令が交付されました。
「かわいい看護師さん」は、緊張している人もいれば笑顔で余裕ありという大物ぶりを発揮する人もいました。
【9:30】
各病棟のプレゼンテーション実施
このプレゼンテーションの資料は、当院2年目の看護師が作成したものです。この看護師も、数年前に当院にて「1日看護師体験」を体験しており、自分がその時知りたかったことなどを踏まえて、高校生からみて理解しやすい、また興味をもてるような内容を作ってくれました。プレゼンテーションを集中して見ている姿をみて、各病棟の特徴はもとより、その病棟で大事にしている看護なども感じてもらえたのではないかと思っています。
【10:00】
いよいよ病棟へ
産婦人科・小児科病棟へ配属された高校生は、うまれたばかりの赤ちゃんのほっぺをそっと触れてみるなど、小さな命に触れる瞬間を味わっているようでした。
外科科病棟へ配属された高校生は、成人のオムツ交換を病棟看護師と一緒に行いました。
オムツ交換を体験した高校生からの感想文には、「いままで、便や尿はきたないものだと思っていたけど、患者の状態を知る大事な情報であるということがわかった」ということが書かれていました。
大事なことをわかってくれたことが、私達にとってはとてもうれしい高校生からの反応でした。
午後からは、血圧計などの医療用具の使用体験、寝たきり体験として歯磨きをしてもらう体験、車椅子体験などをしてもらいました。
このような体験をしている場面を写真にとり、記念として1人1人に持ち帰ってもらいました。
1日看護師体験プログラムの最後には、保健所の担当者、高校の教諭らとの座談会が開かれました。座談会では、高校生からの感想などを語ってもらいました。1日看護師体験をして、さらに看護師になりたいという思いが強くなったという感想が多く、将来には、看護職の仲間が増えるかと思うと嬉しくなる場面でした。
1日を終えた「かわいい看護師さん」たちは、制服に着替えていつもの高校生の姿になっていました。今までに体験したことのないことをやり終えて、そこから何かしらの意味を見出し、さらには、自分の進路について真剣に考える時間をすごしたという体験が、簡単な言葉にはしきれない充実した感情を持てたのではないかと思われました。朝初めてであったワイワイしていた高校生は、帰りに見送るときは、どこか大人になった、頼もしささえかんじられるような雰囲気をもっているようでした。
高校生たちのまっすぐな視線が、いつの日か看護を見つめる輝く瞳になってくれることを期待したいと思っています。